大手業者と中小業者の違い

大手業者と中小業者の違い

2021年8月31日 オフ 投稿者: craen_textbook

不動産購人の相談窓口を担当していると、頻繁に受ける質間があります。
「大手の不動産業者と、地元に特化した中小不動産業者、どちらに相談したらいいでしょうか?」と、おそらく取扱物件数や何かあった時の保証面の不安からくるものです。
結論を先に申し上げると、大手も中小も規模は関係なく長所短所があり、一概にどちらが良いという断言はできません。結局サポートするのは担当者だからです。
私も以前は大手不動産業者に勤務していました。そのころお客さまに「なぜ当店を選んでくださったのですか?」と何度かうかがってみたところ、その主な理由は「よく聞く店名だから」「安心できそうだから」でした。
大手には確かに知名度に応じた実績と信頼があります。この点は長所といえます。
さらに大手の魅力を挙げれば、設備の充実も1つの長所です。ノベルティグッズがあったり、営業所に無料の自販機が設置されていて好きな飲み物が選べたり、相談にお菓子が付いてきたりと、快適なくつろぎ空間の中で話し合いを進めることができるでしょう。
ただこれら設備の良さが、必ずしも良い結果に結びつくとは限りませんし、中小でも設備に力を入れている業者はたくさん存在します。
大手のデメリットとしては、費用や労力面でのおまけ的な相談が難しい点です。大手はお客さまごと平等なサービスを心がけるのが基本なので、すべてのお客さまに適用したキャンペーンを実施することはあっても、1人のお客さま限定で特別な計らいをすることはまずありません。莫大な広告費・人件費をかけていることを考慮すれば、運営やノルマ達成のため仕方がありません。また、反響が多い故に、「じっくり」より「今すぐ」探す方が優先されるかもしれません。
一方、地元に根付いた中小の不動産業者は、費用や労力面での相談はお客さまごとに対応してくれるケースがあります。
大手スーパーマーケットが会計時におまけをしてくれることは滅多にありませんが、地元に根付いたお肉屋さんやお魚屋さんでは、会計の端数を切ってくれたり少し量を増やしてサービスしてくれたりすることがあると思います。これに近いことが、地元の不動産業者なら多少は期待できるかもしれません。
中小業者は少ない人員で運営しています。担当者のすぐ後ろに社長が付いていることもあるので、風通しが良く規律にとらわれない柔軟な対応が期待できます。これが最大の魅力です。しかし、人数か少ないために待たされてしまうこともあるでしょう。
さらに気を付けなければいけない点もあります。地元特化の不動産業者は「街のことをよく知っている」のです。一見、良いことのように感じますが、「よく知っているからこそ、悪い部分をあえて伝えようとしない」可能性も含んでいます。すべての地元の不動産業者がそのような意図を持っているわけではありませんが、街の良いところばかり挙ける業者に対しては警戒が必要となるでしょう。やはり結局は担当者が重要です。

大手と中小について、保証能力の違いにも触れておきましょう。
万が一のトラブルが発生した際、十分な保証を得られる可能性は、基本的には相違ありません。
各不動産業者は、「不動産保証協会」や「全国宅地建物取引業保証協会」といった保証協会に加盟しています。たとえば、万が一のトラブルとして、不動産業者に預り金を持ち逃げされ、一切連絡が取れなくなってしまったとしましょう。この業者が保証協会に加盟していたら、所定の手続きを経ることで、持ち逃げされた預り金を取り戻すことが可能です。もし、保証協会に加盟していなかったら、泣き寝入りという最悪の事態も考えられます。
ですので、とくに小さな不動産業者と取引をする際には、万が一に備えて保証協会に加盟しているかどうかを確認しておくとよいでしょう。保証協会のホームページの加盟店検索で業者名を入力すれば、簡単に確認できます。
ちなみに大手の場合、保証協会へ加盟せず法務局へ保証金を預託しているケースがほとんどです。
他には、人数の多い会社の場合、後日に発覚したトラブルを、引き継いた別の方か対応することもあります。また、1人のお客さまに対するありがたみに欠け、お客さまを選んでしまっているかもしれません。

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