家探しで失敗したAさんと、家探しで成功したBさん。両者の違いはどこにあったのでしょうか。
Aさんには2つの失敗がありました。
1つめは、一般的に仕事が休みである日曜日にだけ見学をしたことです。平日に一度でも視察していれば、ラッシュ時の実際の通行量を知ることができ、購人を保留にすることができたでしよう。そのことを想定して提言できるサポーターが不在だったことも痛手となりました。
もう1つは、Aさん一家はご自身たちが思っていた以上に、生活をのぞかれることにストレスを感じる性格であったということです。このことは、実際に生活を始めてみないとはっきりとは分からないことかもしれませんが、事前にもう少し生活イメージを膨らませていれば、このような失敗をすることはなかったかもしれません。
一方のBさんが成功した理由は、気になった部分をきちんと吟味し、多角的に検討を重ねたことです。
マイナス面をカバーできるプラスの要素を見いだし、生活開始後のイメージを想定することで、後悔のない家探しをすることができました。
また、Bさん一家はAさん一家に比べて、人の視線に対してそこまで神経質にならない性格だったのも少なからず影響しているでしょう。
窓外からの視線が気になる物件は、住む人を選ぶ物件といえます。視線を気にする人には決してお勧めできません。
いくら安いからとはいえ、ストレスを溜め込む生活を我慢してまで購人を決意するのは、幸せの少ない人生を自ら歩んでいるのも同然なのです。
しかし、物件を探すに当たって、Bさんのように窓からの視線について念人りに視察してから決めようという人は多くありません。そういう発想になかなか至らないのです。
厳しい言い方をすれば、Aさんは「自己分析が足らなかった」から失敗したのです。しかし、家を選ぶに当たってわざわざ自己分析から始める人などほんの一部でしよう。
購人を検討している方の大半は、何に気を付けてどのように進めていけばいいのかを知りません。それは当然のことです。
それでは、どうすればAさんは家探しを失敗せずに済んだのでしょうか。
正解はただ1つ。お客さまのことを十分に理解し最適な物件を見つけ出してくれる、不動産のプロに出会えればよかったのです。Aさんは理想的な不動産業者と出会えなかったがために、このような失敗を経験してしまったといっていいでしよう。
パソコンで困ったらパソコンに詳しい人に尋ねる。病気にかかったら専門医に診てもらう。それと同じように、住まいも信頼できるその道のプロとともに物件を探すことが、本当に大切なことです。
家探しがうまくいったBさんは、当初はじっくり視察をする発想なんてありませんでした。担当者の「気になるようでしたら、購入はまだ決めず、粘って調べてみましよう」というアドバイスに納得し、何度も足を運んで「自分たちが住むのに適した物件か」を吟味する時間を作ることができました。その結果、家探しを成功させることができたというわけです。
Aさんの担当者は、残念ながらそこまで親身にはなってくれない、目先の契約のことばかり考える不動産業者であったと言わざるを得ないでしよう。
このように、物件よりも先に大切となってくるのは、よきパートナーとの出会いです。不動産業者選びは慎重に行いましょう。
この点については、「とことん業者選び」でより詳しく掘り下げますので、参考にしてください。