「借りられる額」ではなく「返せる額」で決める

「借りられる額」ではなく「返せる額」で決める

2021年4月20日 オフ 投稿者: craen_textbook

物件を購人検討している方の中には、借りられる額の上限目安を把握してから、上限ギリギリの物件を探す方もいます。
しかしこれは危険な考え方です。
借りられる上限の額は、金融機関が「この額なら返済が可能だろう」と見込んだ上で弾き出された額であることは間違いありません。しかし、それと同時に金融機関は「もし万が一返済が困難となっても、担保としている物件を差し押さえればいい」というリスクへッジをとっています。
つまり、「借りられる上限額」は「債務者が必す返済できる額」と同等ではありません。
ローンの月々の支払いに生活費を圧迫されてしまい、住まいはゴージャスなのに生活ぶりは質素、という方を実際に私は見聞きしてきました。強気に高額物件を手に人れたばかりに、旅行やおいしい食事といった人生の楽しみの回数を減らしてしまうことは本未転倒だと思います。また、質素どころか困窮の末に住まいを手放すことになってしまう、という悲しいケースも知っています。病気やけがで仕事ができなくなってしまうかもしれません。
家族構成や将来設計、趣味や生き様、生活スタイルは人それぞれです。計算がしにくい項目であり、金融機関もそこまで精密な計算をした上で貸す額(=返せると判断した額)を決めているのではありません。
借りられる額の上限まで借りる必要はありません。無理のない、返せる額を借りるべきです。 物件購入検討者のサポートに付く際、ローンに関して私は次のようにアドバイスしています。

「住宅の他にも、贅沢な食事や思い出に残る旅行やレジャーなど、人生の楽しみ方はたくさんあります。また、急な物入りというのはいつ起こるか分からないので、手元に余裕資金を残してくことも重要です。心と体と家族関係、すべて健全な状態を保てることを前提に、借りられる額ではなく返せる額を計算しましょう!」
目安として、年収400万円未満の方は返済比率が25%前後、年収400万円以上の方は30%が安全といえるでしょう。
安住の地を手にした後の、ローン返済途上に身を置いている心境を、自身の性格や過去の経験に基づいて、想像してみるといいでしょう。
ローンの支払いが心配で趣味を心から楽しめなくなりそう、無理して節約生活をしてストレスを溜めそう、というイメージか湧いたのなら、物件のグレードを多少落として、余裕を持った返済比率
での借入をお勧めします。
具体的なアドバイスとしては、年収に対して最大返済比率の借人をするのではなく、5%程度落とすことで、ゆとりのある返済を行うことができるでしょう。
とはいえ、5%下げてしまうと物件予算が減るので、お気に召す物件の数が急激に絞られてしまう可能性もあります。気に入った物件が見つからなければ、返済比率をもう少し上げて再度物件を探してみるといった手間は必要となるでしょう。
「物件のグレードは決して下げたくない」
「住まいには妥協したくない」
「自分は家にいるのが好きだから住宅にお金をかけたい」
といった方は、返済比率を最大に設定して物件を探してみるといいでしょう。年収に見合った最大限の理想的な物件に出会うことがかなうはずです。
なお、「手付金・頭金・リフォーム代・諸費用」などへの、自己資金(貯金)から捻出する出費がある場合に、毎月の返済額を減らしたいために手元の貯金を出しきる方がいます。借入額をギリキリにして貯金ゼロでは、生活費に影響を及ばしてしまい「幸せな生活」とかけ離れてしまいます。本末転倒にならないよう、ご注意ください。

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